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革新と軽量性の極み fizik POWERSTRAP AEROWEAVE CARBON

近年、夏の暑さが深刻さを増しており、今年も猛暑が予想される。

そんな夏に備えて、エアロ・軽量で高性能、ソールの高剛性、通気性による冷却性能を備えたシューズを紹介していきたい。

POWERSTRAP AEROWEAVE CARBON

自転車シューズの進化は、常にライダーの快適性とパフォーマンス向上を目指してきた。

その中でも、軽量性・剛性・通気性という3つの要素を高次元で融合させた製品は稀であり、fizikが送り出した「POWERSTRAP AEROWEAVE CARBON」は、まさにその理想を具現化した一足だ。

このシューズは、従来の素材の常識を打ち破る「AEROWEAVE 2.0」アッパー、独自のクロージャーシステム「POWERSTRAP」、そして最先端の「R3 CARBON OUTSOLE」を融合。

最軽量クラスでありながら、プロレベルの剛性とフィット感を誇る、まさに次世代のレースシューズだ。

AEROWEAVE 2.0:風を通す繊維構造

AEROWEAVE 2.0とは、fizikが独自開発し、第2世代へと進化した超軽量繊維のアッパー素材で、ポリエステルと液晶ポリマー繊維を組み合わせて高密度に編み込まれている。驚くほど軽く、そして強く、それでいてしなやかな感触を持ち、何よりも目を見張るのはその圧倒的な通気性だ。

外観からもその透け感がわかるほどで、炎天下のロングライドやヒルクライムレースでは、足元が驚くほど快適に保たれるだろう。従来のメッシュ素材とは一線を画す、通気とサポート性の絶妙なバランスが特徴だ。すべてがメッシュというわけではなく、つま先とかかとは細かく組み込まれており穴がない。それ以外のところは細かく穴あきになっており、剛性と通気性がバランスよく取られている印象だ。

その特性もあり、シューズの部位によって弾力性の差が生まれ、足の動きに合わせて微細に伸縮しながらもしっかりとしたホールド感を維持してくれる。シューズ内での微妙なズレや圧迫感を排除し、長時間のペダリングにおいてもストレスを最小限に抑えてくれるだろう。

POWERSTRAPクロージャーシステム

近年fizikを含め、ほとんどのメーカーが足とシューズをフィットさせるためにBOAダイヤル(もしくは同じような構造)を採用している中、当製品においてはあえてベルクロベースのクロージャーシステム「POWERSTRAP」を採用している。ベルクロと言えば一般的にはBOAダイヤルやラチェットタイプのシステムより古い、もしくはエントリー向けのシューズに採用されている印象があるが、実は決して古くさい技術ではない。2本のストラップを斜め方向に配置し、アッパー全体を包み込むように締める構造は、フィッティングの自由度が高く、甲の高低や足幅の違いにも柔軟に対応するためだ。

日本人は欧米人と比較して足の形状が異なることが多い。古くから農作業を主としていた影響で、足指がかっちりして甲高で幅広、かかとの丸みが少ないと言われている。すべての人に当てはまるわけではないため、シューズを選ぶ際には店頭にてぜひ試着をしてほしい。

筆者も例にもれず、幅広で甲高な足である。普段はBOAダイヤルのシューズを使用しているが長時間使用すると、足の端や甲が痛くなることがある。

そこで注目すべきは、シューズ全体の「包まれ感」だ。一般的なダイヤル式では局所的に圧がかかることがあるが、POWERSTRAPでは均一なテンションが得られ、足全体に自然な一体感が生まれる。これは長時間のライドで足が浮腫んだときや、微妙なフィット感の調整を求めるときにも効果的である。

ストラップの開閉も非常にスムーズで、レース前の準備やトランジションの素早い着脱にも適している。まさに、シンプルでいて高機能な締め付けシステムと言えるだろう。ライド後半で足のむくみがなくなっても自然と閉まる位置で固定ができるのは非常にありがたい。

R3 CARBON OUTSOLE プロ仕様の剛性

カーボンファイバー・レイアップの見直しと新しい設計により、剛性を損なうことなく軽量化を実現した新しいアウトソール「R3カーボンアウトソール」も大きな特徴だ。

ペダリング時のパワー伝達効率を最大限に高める、まさにレーサー向けの仕様である。

ソール剛性指数はfizik最大剛性の「10/10」とされ、踏み込んだ力を逃さずにダイレクトにペダルへと伝えてくれる。特にスプリントや上りのダンシングではその恩恵を明確に感じることができるだろう。

それでいて、ヒール部分やつま先には適度なクッション性も残されており、歩行時や信号待ちでのストレスも抑えられている。踵のグリップも優れており、バイクから降りたときの安定感もある。筆者はレースにも出るが、普段のライドではカフェに寄ることもある。ソールは硬くとも適度なクッション性もあるため店内の移動なら快適に行えるだろう。

驚異の206g(実測重量)

AEROWEAVE 2.0とR3アウトソール、そしてPOWERSTRAPという構成にもかかわらず、重量は片足で実測重量206g(サイズ42)。公称重量は184gだからやや残念ではあるが、それでもこれは、数ある軽量シューズの中でもトップクラスの軽さだ。機能性を犠牲にせず、徹底的に無駄を削ぎ落とした設計がこの数字を実現している。

また軽さは単なる数値の問題ではない。ヒルクライムでの一歩一歩の加速、脚の疲労感、バイクとの一体感。すべてに直結する要素と言える。わずかな違いが、後半の余力に繋がり、ひいては結果をも左右する。そんなシビアな戦いにこそ、この軽量性は武器になる。一方で普段のカフェライドでもペダリング回数は実は軽く1万回を超えてくる。そう考えるとレースをしないライダーにもこの軽さは大きなアドバンテージになること間違いない。

総評:真夏でも力強くロスなく走りたいライダーに贈る最適解

fizik「POWERSTRAP AEROWEAVE CARBON」は、あらゆる点でライダーの期待を裏切らない性能を備えたシューズである。軽量・通気・剛性という、通常ならトレードオフになりがちな要素を見事に両立させており、特にヒルクライマーやクリテリウムなど夏場のレースに出場するようなライダーにとっては最適な一足と言えるだろう。この先に来る真夏に備える点においても最適解である。

見た目の洗練さも抜群で、近未来的な素材感とシンプルで美しいシルエットは、ライダーのスタイルに確かな個性を添えてくれる。カラーバリエーションもあり、自分の愛車とのコーディネートも楽しめる。今回発売されたViolet/Greenというカラーもホワイトやブラックが主流のシューズたちの中で強いインパクトとアイデンティティを感じさせる。一見派手に見えるが履いてみると、妙におさまりが良くカッコいいのである。価格帯は決して安くはないが、それに見合うだけの性能と満足感を提供してくれるシューズ。それが「POWERSTRAP AEROWEAVE CARBON」だ。

 

おすすめ対象ライダー

ヒルクライムレースに挑むクライマー

暑い季節でも快適に走りたいエンデュランスライダー

シンプルかつ調整しやすいシューズを求める方

最後に一つ付け加えておきたいのは「シューズはサイズ合わせが非常に重要」だということ。ロードバイクと一緒でサイズの合わないものはたとえ性能が良くとも、あとで不具合が生じてしまうことが多い。結局のところその性能が十分に発揮されないということが起きるのだ。そのため、ぜひ店頭にて試着をし、最適なシューズを選んでいただきたい。100人中100人がPOWERSTRAP AEROWEAVE CARBONがバッチリ合うというわけでは無いが、フィットする方にとっては一度履けばこのシューズのバランスの良さが体感できると思う。

 

VENTO POWERSTRAP AEROWEAVE

カラー:White、Coral/Orange、Violet/Green
サイズ:39-44 *39から43はハーフサイズあり
重量 :184g(カタログ値)
アッパー:AEROWEAVE 2.0
クロージング・システム:POWERSTRAP
ソール:R3 UDフルカーボンアウトソール  stiffness index 10 *ソール剛性指数 10/10
税込価格:¥61,600

THE BASE南大沢店では、fizik以外にもシューズブランドやインソールを取り扱っております。
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